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「…………」
ギルドマスターの表情から笑みが失せ、今までに見たことのない真剣な表情にすり替わる。
俺は報告を続ける。
「リヴァイアサンとの戦闘ですが、使った魔法は『息吹く水』と光を得る初級(魔法使いが中等部で学ぶ)魔法のみです」
「では……」
「はい。お察しの通り、エドワード・クラウソラスは魔力を込めた拳から放つ魔力弾のみで倒しました」
「なんという……」
「報告はそれくらいですね」
「……そうだ。見たことのない魔法とは?」
確かに疑問にも思うだろう。それほどの魔法使いの扱う魔法なのだから。
「恐らく移動用の魔法かと。……飛んで行くのを目で追う前に居なくなりました」
「……そうか、分かった」
「……」
「ご苦労。ゆっくりと休むといい。この件については、今度の定例会にて話し合おう」
「わかりました。失礼します」
俺はギルドマスターに一礼してから執務室を後にした。
・・・
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