1.先輩の呼び名

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『てか、今日は男装なんだな‥ やっぱりキラキラしてて王子様そのものだよ!』 空愛は鳴海の微笑みに対してそんな事を考えていたが、洸は納得いかず不機嫌になる。 「空愛‥ どっちの約束を優先する気だ?」 「え、えっとぉ‥」 「ソラは俺と約束してんだよ。 2人して引っ付くな!」 そう言って茜は空愛を2人から奪うと、2人は納得いかなそうな顔をする。 「藤ちゃん?」 「ん?」 「何で抱きついてるのかな?」 「ソラにアタックするって言ったの忘れてる?」 「だ、ダメ‥ それは禁止令だしたでしょ?!」 「そんなん無効だ。 俺の気持ちは止めらんないんだぞ」 「うぅ‥ 何でそんな事ばっかり」 空愛が真っ赤になりながら離れようとすると、龍が鳴海にこう言った。 「ナル。 女子の視線どうにかしろ」 「えっ‥」 鳴海が教室内を一通り見回すと、確かに女子が周りで騒いでいた。 「お前の男装姿は女子にはヤバすぎ」 「ご、ごめん」 鳴海はそう告げると、空愛を茜から奪って教室から駆け出した。 「あっ!? ソラを返せよ」 「俺様の女を連れて行くな!」 洸と茜がそう叫ぶが、空愛と鳴海はすでに何処かへ駆けていってしまった。 「つーか、お前の女じゃねーだろ?」 「俺様が気に入ったモノは俺のだ」 「ソラはダメ! 渡さねーからな」 「何だよお前‥ ひょっとして羨ましいのか?」 「はぁ?! お前、頭大丈夫か?」 「別に異常ないが、心配してるのか?」 「はぁ?! お前の心配なんかしねーよバカ!」 「ほぅ? なら、何が大丈夫なんだ?」 「話にならねー お前、頭悪いだろ」 茜がそう告げると、洸はフッと笑って余裕な振る舞いを見せる。 「俺様に不可能なし」 「お前と話してると疲れる。 もう話したくねーから、話しかけんな」 茜はそう告げると、教室を出て行き空愛の救助に向かった。 「何だアイツ‥」 「面倒くさい展開だな」 龍がボソッとそう告げると、洸は龍の方を見るなり何やら興味を示す。
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