1.先輩の呼び名

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「何?」 「俺様の友達にならないか?」 「はぁ?」 龍が意味不明っと言った風な顔をすると、洸はギュッと握手してきた。 「駄目か?」 「面倒くさいね、アンタ」 「へっ?」 洸は首を傾げて疑問げな表情をすると、龍はパッと手を剥がして教室を去っていく。 「な、何だアイツ‥ 可愛いヤツだな」 洸はフッと笑うと、龍を追いかけるべく教室を駆けていった。 そんな頃、空愛は鳴海と2人で図書室で話をしていた。 「空愛は茜くんと付き合ってないの?」 「えっ‥ 藤ちゃんはお友達だから、付き合うのはちょっとね」 「僕ともお友達になったし、対象外?」 「えっ!?」 空愛はまさかそんな質問が降ってくるとは思わず、何となく慌てた様子になる。 「空愛は、好きな人居るの?」 「えっとぉ‥ 一応は居るよ?」 「ふぅーん? この学校の人だね」 「う、うん‥」 空愛は素直にそう告げると、鳴海は少々黙りになって考え込む。 「鳴海くんは、好きな人居ないの?」 「居ないけど‥ 気になってる子は居るよ」 「そーなんだぁ‥ じゃあ、一緒だね」 「一緒じゃないよ。 僕が気になってるのは君だしね」 「えっ!?」 「ビックリした?」 「だ、だって‥ 鳴海くんとは昨日仲良くなったし戸惑うよ?」 「空愛は戸惑う顔も可愛いんだね!」 鳴海はそう告げると、空愛に迫っては顔を近づけてくる。 「えっ‥ あ、あの?」 「可愛いから、キスしたくなる」 「えっ!? だ、駄目ですよ!」 「ねぇ‥ 空愛の好きな人って俺より格好いいの?」 「ち、ちょっと?! 近いから離れて!」 「やだね。 空愛が教えてくれるまでやめない」 鳴海はニッコリ笑うと、空愛の両手を片手で一つに纏めると顔を耳元に近づけた。 「空愛‥ 教えてくれる?」 「鳴海くん‥ 手が痛いです」 「緩めたら教えてくれるの?」 「鳴海くん‥ 何でそんな事聞きたいの?」 「空愛のタイプに近づきたいからだよ」 鳴海はそう告げると、空愛の耳朶にチュッとキスする。
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