双子

2/9
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
 藁人形に五寸釘を打ち付け、美智子は、美智子とうりふたつの顔をした双子の妹の美智代の名を、紫色に変色した小さな唇で震えながら唱え続けている。    五寸釘は人形の美智代の心臓を貫き、背中の肉を突き破って美智子の机に刺さっている。    打ち続けるハンマァの音と振動が、美智子の脳に、殺人を犯している感触を伝えて響く。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!