■第1話 レヴァン (表紙)

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  「やっと聞く気になったか?」 抵抗をやめた私に『やれやれ』と言いたそうに、呆れた声色がふってきて、拘束を解かれた。 私はカカトを返して振り返り、改めてレヴァンと名乗る男と対面する。 …やっぱり辺りが暗いせいか顔がよく見えない。 「…資料とか、調べたとか言ってるけど…殺しはやらないよ」 声をしずめて私はレヴァンに言った。 「ほお。 分かってる、殺しなんかじゃねぇ。 もっと単純でやりやすいビジネスだ」 私が大人しくなって気を良くしたみたい。それが声色に出てる。 「これは俺からお前への依頼だ。 依頼を請けて成功すりゃ1億の報酬を払ってやる」 「…えっ。 い、今…いくらって?」 「1億。 不満か? なら1億5千万だ」 提示された巨額に目が点になった。 そんな額…出せるの!?ううん、それ以前に冷やかし…? 「………疑ってるな」 金額が金額がなんだから当たり前でしょ。 「そりゃあ…テレビとかで聞くような額だもん。 信用は出来ない」 「なら、前払いとして5千万をお前にくれてやる」 「ちょ、ちょっと待って! そんな大金が出るのって…!?」 また私の頭はパニックを起こした。 なんなの、コイツ。意味が解らない!  
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