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「やっと聞く気になったか?」
抵抗をやめた私に『やれやれ』と言いたそうに、呆れた声色がふってきて、拘束を解かれた。
私はカカトを返して振り返り、改めてレヴァンと名乗る男と対面する。
…やっぱり辺りが暗いせいか顔がよく見えない。
「…資料とか、調べたとか言ってるけど…殺しはやらないよ」
声をしずめて私はレヴァンに言った。
「ほお。 分かってる、殺しなんかじゃねぇ。 もっと単純でやりやすいビジネスだ」
私が大人しくなって気を良くしたみたい。それが声色に出てる。
「これは俺からお前への依頼だ。 依頼を請けて成功すりゃ1億の報酬を払ってやる」
「…えっ。 い、今…いくらって?」
「1億。 不満か? なら1億5千万だ」
提示された巨額に目が点になった。
そんな額…出せるの!?ううん、それ以前に冷やかし…?
「………疑ってるな」
金額が金額がなんだから当たり前でしょ。
「そりゃあ…テレビとかで聞くような額だもん。 信用は出来ない」
「なら、前払いとして5千万をお前にくれてやる」
「ちょ、ちょっと待って! そんな大金が出るのって…!?」
また私の頭はパニックを起こした。
なんなの、コイツ。意味が解らない!
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