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「よっしゃ!これで、沖縄ダイビング確定!…明日にでも、旅行会社に、連絡入れるよ。」
「間に合う?」
「…そこはそれ、速水大明神だよ。」
「えっ?なんで、速水さん?」
「あいつのご贔屓の旅行会社の営業さんに、プラン組んでもらってたんだ。
ダイビングOKの時と、NGの時の二通りな。」
「うわぁ…また、話してくれてない!内緒は、嫌って言ったじゃない!」
「話したから、内緒じゃないよ。」
「それ、言い訳だよ!…もう!」
プッと膨れる私に、
「お前だって、たまに、俺に内緒で、段取りして、サプライズなんて、気取ってんだろ…お互い様。」
「ズルイ…その話を出すなんて…。」
注文した品が、テーブルに届いたから、話は、一時中断。
「罰だからね、えいっ!」
美晴の皿から、美晴の好きな物を、ちょっと横取りする。
「ああっ!昴!何するんだよ…テンション下がるだろう。」
「…返して欲しいなら、あ~ん、して。」
「…嫌がらせか…昴…。
わかったよ…そんな、楽しそうな顔すんなって…。
はい、あ~ん。」
私は、美晴の開けた口に、横取りした物を、入れてあげる。
むぎゅむぎゅ…ごくっ…。
「許してくれよ…。こういうの人前じゃ、苦手だって、前に言ったよな…俺。」
そうだったっけ?と、とぼけてみる。
こんなバカバカしいやり取りも、私は、楽しい。
新居に引っ越しまで、後3日、式まで、後1週間の夜のたわいない出来事だった…。
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