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皆様はじめまして。
私、佐久間静恵です。
黒崎家の家政婦をさせていただいています。
もともと、黒崎の本宅で働いていたのですが、この度こちらに来ていたベテラン家政婦の長岡さんがお辞めになったのを期に、私がこちらに勤める事になったの。
二十三歳。独身。
この御時世就職難で、大した資格も学歴もなかった私が、得意の家事を活かそうと家政婦になって早三年。
黒崎の本宅に一年勤め、こちらにお世話になって早三カ月。
黒崎の御曹司である要さんと、その婚約者である月子さんは、とても優しくて、二人暮らしのマンションは広いけれど、さほど散らかる事もなくて仕事は楽チン。
それに、要さんは物凄くカッコ良くて、朝は苦手なのか大抵起きてこない月子さんのお陰で、そのカッコ良い人と二人きり。
珈琲を出すと、にっこり微笑んで『ありがとう』と言ってくれる要さんに、毎朝ドキドキしたりして。
はっきり言ってこの職場は天国です!
あら?
月子さんが起きて来たみたい。
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