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「…では改めまして秋斗様。お嬢様も、早く中にお入り下さい。最近は物騒ですから」
と、促すようにリンスレットさんは先頭を歩き始める。
うむ、ありすを待つのかと思ったが、どうせ、ちょくちょく結乃の屋敷に遊びに来てるんだから1人でも大丈夫だろう。
俺達の帰宅から2時間ほど経過した頃だろうか。
部屋で結乃と一緒に待っていると、不意に扉がノックされ、リンスレットさんの後に続いて、ひょこっとありすも顔を出した。
姫織を連れて。
「だ、旦那様っ! どうして家出なんて行為に及んだのですか! ………私もう心配で心配で………。わだしがなにをしだっでいうんでずが~!」
言葉の途中で泣き出してしまった姫織。
お前は一体何がどうしたんだよ。
「えぐっ………うぅ……えーんっ…」
「な、泣くなよ。悪かったから」
と当たり障りのない謝罪をして、軽く姫織の小さい頭を撫でる。
すると姫織は、すすり泣くようにしなかがらも、俺の撫でる手に頭を押し付けてきた。
うん、とりあえずは嫌われてないみたい。
「………うぅ。旦那様のばかぁ………」
「あー、はいはい。………俺が全面的に悪かったから」
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