終章『西園寺家居候編2』

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「もう、姫織ってば泣きすぎじゃない。お兄ちゃんに会えたのがそんなに嬉しいの?」 「と、当然ですっ。………あぅ、旦那様、もっと気持ちを込めて撫で撫でして下さいまし…」 「…………」 無言で姫織の頭をワシャワシャ撫でると、姫織は目元を緩ませて泣く事をやめ始めた。 だが、それを見て溜め息をつく、ありすと姫織。 「…甘えん坊さんなの? 姫織は」 「うん、家じゃ大抵こんな感じかなあ」 半目で聞く結乃の質問に、ありすが両手をお手上げのポーズを取って答えるありす。 だが、そんな中、1人。 俺と姫織の光景を見ながら、睨むようにして感情を露わにする人物が居た。 「………あの、秋斗様。つかぬ事をお聞きしますが、今、頭を撫でておられる彼女は誰ですか?」 「ん、ああ、紹介がまだだったか? コイツは姫織。俺ん家のメイドだよ」 「…はっ?」 俺が淡々とリンスレットさんの質問に答えると、リンスレットさんは目を見開き、驚きを隠せない表情で俺を見つめてアワアワ慌てだした。 なんだ、無表情な人だと思ってたが、こんな表情も出来たんだな。 「…あ、秋斗様のメイド?」 「…ぐず、わ、私に何かご用ですか?」 と、姫織も反応する。 するとリンスレットさんは。 「…こ」 「こ?」 「こ、このーーーーーー。う、浮気者ぉっ!!」 「…え?」 と、途端に叫び声を上げたリンスレットさん。 その光景に、俺達4人は呆然とリンスレットさんを見つめた。
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