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啄むキスを交わしながらも、また涙が出てきて困った。
田所は笑いながら、その涙を舐めとっていく。
「シノ、好き。俺の知らない、シノの話を聞かせて」
田所の体を抱きしめ、カサカサに渇いた心を潤わせていく。
浴槽の湯に垂れ流した、醜悪な感情たち。抜け落ちたその感情の穴に、田所の優しい愛情が詰まっていく。
こんなにも、田所を必要としているのに。
一週間後には、またあの別れが来るのか。
分かっていても、それでも田所が愛しい。
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