4513人が本棚に入れています
本棚に追加
/253ページ
「初めて会った時、花川戸公園でお前は俺の式神になるって言っただろ?」
「はい…」
光流は唐突に出逢った時の事を話しだした。
「その言葉自体が契約なんだ」
「契約…?」
ゆき乃が気がつかない所で契約は結ばれていた。
吉原弁財天の境内に入り数歩進むと光流は振り返って、ゆき乃と向かい合う。
「契約に基づき、お前は俺の詞(ことば)に束縛される」
「……」
光源氏と呼ばれる光流の整った顔が真剣になり、威圧感でゆき乃は言葉を失った。
最初のコメントを投稿しよう!