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「ゲッ!」
二人は弁天池を覗き込んで声を上げた。
バシャッ!バシャッ!
今朝、弁天池には何の姿も無かったのに、池からはみ出る程、大きな赤い金魚が一匹ばたついていた。
「ゆき乃・・・コレはなんだ?鯉かマグロかナポレオンフィッシュか?」
「・・・どれでも無いと思います」
浴槽ほどの弁天池と同等の体をビチビチと言わせ巨大な金魚はもがいていた。
「おい、吉原神社に戻るぞ。早く結界張らねーとヤバそうだ」
「はい!」
二人は巨大な金魚を残し、足早に吉原弁財天を出る。
吉原神社へ急ぐ二人の正面から、
「おーい、藤原ー!」
と光流に手を振る青年が歩いてきた。
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