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全てを見つめる瞳となりしもの、汝に力を──
かつて、世界を見る天使に全てを捧げようとした人がいた。
人の命は儚い──それでも、天使は人と歩もうとした。
悲しい運命を背負った人を、せめて癒やしてあげられれば、と。
だが人は絶望する。
己の命の理不尽さと、理不尽な運命に対して。
絶望はやがて死に変わり、死はやがて世界を染める。
ともに歩むことは叶わない。
天使は嘆き、人を拒絶した。
そして瞳が満たされた時、天使は涙し、天へ昇った。
人に送った詞(うた)は、今もどこかで語り継がれる。
汝の秘めたる輝きは
内なる瞳に映るまま
太陽と月は重なりて
黄昏の刻に揺らぐまま
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