エピローグ

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市長の中島誠一逮捕... そう見出しに書かれた夕刊を広げながら、ママンとミカンは店の片付けを開始した。 夕刊には、これまで中島と高田が行ってきた数々の余罪も載せられていた。 その中には、事件を隠すために、高田が根岸を襲ったことを自供したことも書かれていた。 夕刊の記事を提供した記者の名前には、週刊元代 金本と書かれている。 本当であれば、そこには斉藤の名前が載るはずだったろうに...と、ママンは複雑な気持ちをおさえて、鼻からゆっくり息を吐いた。 『でも、よかったわね。あなたにとっては初の手柄じゃない』 目の前のカウンターに座る一輝に声をかけるも、彼の心情も穏やかなものではなかった。 中島誠一の逮捕により、警察が癒着していたことが、明らかになったためだ。 刑事課の課長という立場を利用し、中島の周りに起きていた、事件になりそうな案件を次々と揉み消していたことを木田は認めたのだという。 勿論、警察はこのことを公にすることなく、彼を処分にかけたのだが、同じ刑事課に配属している一輝にとっては、両手をあげて喜ぶことは出来なかった。 .
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