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「とりあえずさ、乾杯しましょうよ」
どことなく暗い空気を変えようと、ミカンは三人分のグラスを用意した。
「私はモスコミュールにする。ママンは、いつものマティーニでいいわね?」
ママンは『おっけぇ』と、頬に手をやり、たこ焼きを作って頷いた。
「一輝さんは、お水でいいかしら?」
飲めない彼のことを気遣い、そう尋ねたが、一輝は「いえ」と、首をふった。
「今日は、わたくしもお付きあいさせていただきます。ミカンさん、カルーアミルクを一つ」
『ちょっと大丈夫なの?』
ママンは心配そうに、確認するも「大丈夫であります」と、言って聞かなかった。
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