ア レエスタウランティー ピホビア

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「コレです、鼻血止まると良いですね」 奴は淡々と告げ、俺にトイレットペーパーを手渡した。これを丸めて、俺の鼻に突っ込んだってことだな。ティッシュと違って乾燥している紙だから、鼻に挿すと滅茶苦茶痛い。 またヒタヒタと床を歩く音がする。鏡に映る栂は、再び風呂場に戻っていった。 トイレットペーパーのためだけに風呂から出てきたのか?本当に栂という生物は何を考えているのか、分からない。 「栂、すまんな」 シャワーの音で、かき消されて聞こえていないだろう。だが、まぁ、良いさ。 折角、晴れ渡った気分になったのに、顔を上げたら顔面崩壊で、なんだか心が落ち込んだ。
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