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「深澤さん、素敵な角ですね。あ、鼻血止まりました?」
風呂場から出てきた栂の第一声だ。俺は自分の顔がピクピクと動くのを感じた。落ち込んでいる心に塩掛け爺が入り込んで塩揉みをしに来た感じだ。
「煩い、早く着替えて向こう行ってろ」
あんなにも白かった鼻に差したトイレットペーパーが、真っ赤に染まっている。取り替える必要がありそうだ。
と、顔を手元に向けると、手に持ったトイレットペーパーも表面が赤く染まっていた。
「持ってるんで、手洗ってください」
左から伸びてきた手がトイレットペーパーを攫っていった。ジャージは、やはりデカかったのか腕を捲っている。
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