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少し前。
俺の家に一通の手紙が届いた。
手紙には20時に家の近くの公園に来いと書かれていた。
どうせ釣りだろう。
あの時の俺はそう思っていた。
でも今は違う。
これが事実。
これが現実。
これが真実。
「お前ら……」
舞台は公園の地下室。
俺も長年この街に住んでいるが、この地下室の存在すら気が付かなかった。
そして俺の目の前に在るもの、それは謎の液体が入った数十もの巨大なカプセル。
その中には眠った少女が一人ずつ入れられている。
「こんな事許されると思っているのか……?」
そして、白衣を着た若い男が三人。
「答える義理は無いよ少年。」
「そう言うな。我々の目的を忘れた訳では有るまいな?」
「……目的ってなんだっけ。」
「馬鹿者!ちょっとこっちに来い!!」
研究員Aと研究員Bが奥の扉の向こうに行ってしまった。
何なんだこいつら……
「やれやれ。面倒臭いけど、僕が説明させてもらうよ。」
研究員Cが呆れるように首を振りながら言った。
「いいかい。僕は説明するのが苦手だし嫌いだ。しかも一度しか言わないから心して聞くよーに。」
研究員Cが一度咳ばらいをする。
「君にはこの『ラボラトリーアニマル』の内一人を選んで生活を共にしてもらう。」
「ラボラトリーアニマル……?」
「そしてこの公園にある石舞台の上に特定の魔法陣を描く事で現れる『ラブラブラドールレトリーバー』という名の恋愛ゲージをMAXにしてもらいたい。」
見事にスルーされた……
「簡単に言うと少女を落とせ馬鹿って事だ。以上!質問ある人は~?」
「あの」
「はい、居ないようなのでこれで会議は終了!では解散!!」
研究員Cが奥の扉に向かって歩き始めた。
「待て待て待て。質問!質問あります!!」
「おっと忘れる所だった。さぁ、ラボラトリーアニマルを一人選ぶがいい。君が一番乗りだ、逆に困るくらい数があるから心配ご無用。後質問は受け付けておりませんのでご了承くださーい。」
もうやだこの人……
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