ちょっきによる推薦文

1/2
219人が本棚に入れています
本棚に追加
/208ページ

ちょっきによる推薦文

 こんにちは。表紙の作品説明で刺されたちょっきです。まずこの推薦文を書くに当たり、前置きをさせて頂きます。  皆さん。これから私が書くことは全て本心です。お願いですから信じて下さい。  まさか隣で、この本の作者である志村奈緒が、チェーンソーを片手に私を見張っていて、私が心にもないことを書かされている……なんてことは絶対にありません。本当です。信じて下さい。  正直私は、この生死の懸かった状況に、おかしなことを書いてしまうかもしれません。それでも絶対に何もしないで下さい。私はまだ死にたくありません。私を助けると思って、どうか不審に思われても通報はしないで下さいね。  ……では、心にもない推薦を始めます。  この本は、素敵な才女である志村奈緒が書いた本格ナンセンスミステリという新しいジャンルの本です。  読者を騙す為のあらゆる仕掛けが張り巡らされていますが、間違いなくフェアな作りになっています。ただし、いろいろ劣悪には作ってありますので騙されるのが嫌な方は読まない方が良い……という私の意見は無視して、皆で読みましょう。  変なことを書いてるのは判ってます。ですが、こう書かないと殺されるのです。ご理解下さい。  五作中、後ろ四作が謎解きになっています。この推薦文や概要、そして、私が自分の命と引き換えにこの文を無理矢理書かされているという事実は、謎解きには一切の影響を与えませんので、御安心下さい。全ては各作品の描写の中で解けるようになっています。だから、今まさに私が殺されそうになっていたとしても、気にせず読み進めて下さって大丈夫です。  ところで話は変わるのですが、皆さんは監禁や拷問を受け、心が痛むような行為を強要されたことはありますか? いえ、これはただの世間話です。忘れて下さい。  つまり私が本当に言いたいことは、『しむらはあたまがおかしいですたすけてくだ
/208ページ

最初のコメントを投稿しよう!