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「……ありがと」
「ありがたく食べて」
……あれ。このパンあたしが買ってきたんだよね?
冷たい風が入り込む窓辺にもたれて二人、無言でパンをかじった。
強い風の所為でメロンパンのパンかすが髪に絡んで、ほんのちょっとブルーになる。
もう、グラウンドにセンパイの姿はなくて。
愛先生の姿ももう見えない。
「うー……寒っ」
「伊達君、細っちぃからだよ」
「……」
あたしの答えが気に食わないのか、伊達君はパンをくわえたままチラリあたしの方を見た。
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