1st.moment

11/14
14039人が本棚に入れています
本棚に追加
/806ページ
「……ありがと」 「ありがたく食べて」 ……あれ。このパンあたしが買ってきたんだよね? 冷たい風が入り込む窓辺にもたれて二人、無言でパンをかじった。 強い風の所為でメロンパンのパンかすが髪に絡んで、ほんのちょっとブルーになる。 もう、グラウンドにセンパイの姿はなくて。 愛先生の姿ももう見えない。 「うー……寒っ」 「伊達君、細っちぃからだよ」 「……」 あたしの答えが気に食わないのか、伊達君はパンをくわえたままチラリあたしの方を見た。
/806ページ

最初のコメントを投稿しよう!