黙示録

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真夜中の住宅街にあるマンションの一室。リビングの窓は割れ、部屋中の物が散乱している。 充満するのは生臭い血の臭い。 辺り一面に飛び散った血で、壁や天井も真っ赤に染まっていた。 床に出来た赤い水溜まりから伸びる2本の赤い線。引きずったような血の跡が、リビングの隣にある和室に続いていた。 和室の中心には布団が敷かれ、その上には2人分の遺体がバラバラに解体されて置いてあり、大量の血液が布団を重く濡らしている。 「うっ……お父さーん……お母さーん……ごめんなさい……」 遺体の傍らで、少女が背中を丸めて泣いていた。 歳は中学生くらい、外に向かってハネる柔らかそうな茶色い髪。手には真っ赤に染まった大きいナイフが握られている。 そして、その隣には彼女よりも少し若い少女が立ち、彼女の肩に手を添えていた。 黒く長い髪が艶やかに煌めき、姿勢の良い、細く引き締まった体躯が凛とした印象を与えている。 「……わたしが、やりましょうか?」 リビングから差し込む灯りが、隣に立つ少女の顔を照らした。 端正な顔立ちは幼さを感じさせず、大人の魅力さえ浮かんでいるが、人形のように表情が無く、氷のように冷たい瞳をしていた。
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