奪う女・留美

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私はどうしても孝一を奪いたかった。 たとえどんなに沙織を傷つけ、責められたとしても。 私の考えが間違っているとは思えない。 私だって孝一が好き。 その気持ちの強さは決して沙織に負けていない筈。 好きになった人に恋人がいたら、諦めなければいけないの? 答えはノーだと私は思う。 本気で好きなら自分の恋を貫けばいいのだ。 欲しいものを手に入れようとするのは当然。 諦められる人は、所詮その程度の気持ちしかなかったということ。 私はそうだと思う。 孝一の会社の契約社員になれたのは本当にラッキーだった。 高校を卒業してからパブやキャバクラといった夜の世界しか経験していない私が、昼の職業しかも一流企業に勤められることなど想像もしていなかった。 幸運な転機が訪れたのは四ヶ月前。 私は高校時代の親友、奈緒美の結婚披露宴に招待された。
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