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「・・・・・・」
しばらく、信じられないものを見るような目を鈴に向けた後、創が息をついて肩の力を抜いた。
言葉を選び直したのか、零に、ではなく、鈴に向かって答える。
「必要なことは、警察に話している」
それだけ言って、脇をすり抜けるようにして歩き去った。
突然、足早に帰路についた上司を追って、吉野が視線だけ残して慌ててそれに続く。
零は。
零は、何も言わなかった。
晴れない不安と痛みを背中に感じて、鈴はそっと息をついた。
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