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東に向かってから少ししたところで見つけた物は、人の足跡。
小さな足跡が微かに残っていて、それは真っ直ぐ、レモナ達が進む方向へと続いている。
近い。
そう感じたレモナが、後ろを歩く仲間達に気遣いの欠片も見せず、足を速める。
突然歩くスピードを上げたレモナに遅れないように、皆はよたよたとついてゆく。
何度も転びかけ、何度も咳をして血を吐いた。
それでも従順にレモナを追い、やっとその背中に追い付くと、レモナは、村の入り口に立っていた。
小さな村。
数の多くはないラムダ族の殆どが住む、ごく小さな村。
不思議と人の声が聞こえない村に首を傾げながら、顔色の悪いじぃが、やっとレモナに声をかけた。
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