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「おじゃまします。」
玄関先の礼儀正しい声に嬉しそうに返事をしたのはシズさん。
「ご無沙汰してます。」
頭を下げているのがガラス越しに見える。
「大きくなりましたね。立派になられて…」
健太郎は…後期研修一年目。
6年の長い間…
実家から通ったどこからどう見ても理想の息子。
「おじゃましま~す。」
リビングのガラス戸を開けて入ってきた健太郎に
「飲むか?」
声を掛けると、
「良いですね。」
そう言って笑った顔は、里美さんに似ていたが笑い方は柴崎に似ていた。
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