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「まま、ぱぱ、にぃに、ねぇね。」
まだヨチヨチとしか歩けない体と回りにくい口で精一杯家族に話しかける。
生まれてから3年がたち、ようやく世界のこともわかり始めた。
「あーちゃんがしゃべった!!ママ!!」
俺を抱き上げて母…リュナ・アーデルヴィッヒに駆け寄るのは俺の姉さんレミィ。俺より5歳年上だ。
「あらあら。アマタ、おしゃべりできるようになったの?」
アーデルヴィッヒ家は貴族ではなく商人の家。なので不自由は無く育てられている。
「あーちゃんがしゃべったって!?」
急いで近寄ってくるのは7歳年上の兄、ルート。
「にぃに。」
「あー、もぅ!あーちゃん可愛い!!」
「ね、もう一度ねぇねって呼んで!!」
「ねぇーね!」
「はぁうっ」
年の離れた俺は兄弟からとても可愛がってもらっている。
小さい子供って可愛いよね。自分は可愛いと思えないけど。
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