Prologue

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「すまないな恭介。 家にはお金が無いから、遠い場所に来てもこういう森でしか遊べないんだ」 「そんなことないよ! 父さんと遊べたらそれでいい!」 恭介からすれば、父親と遊べることが今までになかったので、遊べるだけで幸せでいっぱいでした。 でもその幸せはすぐに消えてしまうなんて、知らない恭介は大はしゃぎしました。 恭介ははしゃぎすぎて疲れたところで、父親はある計画を実行しました。 「知ってるか恭介? ここには珍しい動物がいるんだぞ? 探してみたらどうだ?」 恭介はそんなことは知らなかったので、父親の言うとおりに探しはじめました。 恭介は動物を探すのに夢中になり、父親から離れていきました。 これが両親が作った計画の狙いでした。 父親は恭介がある程度離れたのを確認したら、静かに車に乗り帰ってしまいました。 父親が帰ったことをまだ知らない恭介は、存在しない動物を探し続けました。 「ねぇ父さん全然見つからないよ」 恭介が振り向くと父親がいなかったので、恭介は父親を探しはじめました。 「父さーーーん!! どこーーー!? 父さーーーん!!!」 恭介は何度も何度も父親の名を呼びました。 時間が経つにつれ涙を流しながらも、先に帰ってしまった父親の名を呼び続けました。 呼び疲れた恭介は近くにあった大きな木に座り込んでしまい、いつの間にか寝てしまいました。
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