スメラギサクラ様へ―――

4/6
20人が本棚に入れています
本棚に追加
/93ページ
  そんな事を思っていると、土方さんはグイッと私の手を自分の方へと引き寄せる。 土方さんの突然な行動に、私は目を見開いた。 「いっつも遠いんだよ」 呆れて言う土方さんに、私はつい「え?」と聞き返してしまう。 そして、なんとか今の状況を飲み込み始めた頃…… 私の顔に熱が集中しだした。 私と土方さんの間の距離は、2センチもない気がする。 ピッタリと隣にくっつき、その上、手は恋人繋ぎ。 ドキドキするのが、当たり前だ。 「……琥珀…」 「は、は…はいっ」 唐突に名前を呼ばれ、私の声は無意識に上擦ってしまう。 そんな事も恥ずかしく思いながら、私は熱い顔に、手を当てた。 「……少し目瞑ってろ」  
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!