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そんな事を思っていると、土方さんはグイッと私の手を自分の方へと引き寄せる。
土方さんの突然な行動に、私は目を見開いた。
「いっつも遠いんだよ」
呆れて言う土方さんに、私はつい「え?」と聞き返してしまう。
そして、なんとか今の状況を飲み込み始めた頃……
私の顔に熱が集中しだした。
私と土方さんの間の距離は、2センチもない気がする。
ピッタリと隣にくっつき、その上、手は恋人繋ぎ。
ドキドキするのが、当たり前だ。
「……琥珀…」
「は、は…はいっ」
唐突に名前を呼ばれ、私の声は無意識に上擦ってしまう。
そんな事も恥ずかしく思いながら、私は熱い顔に、手を当てた。
「……少し目瞑ってろ」
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