プロローグ、『サイカイ』

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だから俺も、簡潔に単純明快な内容で返信する。 『屋上』と。 屋上に春の暖かで心地よい風がふき、俺の真っ黒な髪をふわふわと揺らしていた。 まだ少し空気は冷たくて、俺は上着のブレザーを着直した。 ………と、すぐにメールの返事が来る。 『屋上ですね。すいません、まだ生徒会の仕事が残っててもう少しかかりそうです。』 ちぇ、まだ終わんねーのかよ。 俺は少し首をもたげると、フーッとため息をついた。 そして素早くメールを打ち返す。 『んなモン、サボっちまえよ!』
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