試験だよルフィーナさん!

7/16
1438人が本棚に入れています
本棚に追加
/69ページ
晃手作りの夕食を堪能したロキ達は、全員で食器を洗い、今は場所を居間に移してくつろいでいる。 「クマさんゲーム弱いなぁ」 「そんな事ないよ。見ててね」 晃とケイはテレビの前で格闘ゲームに熱中し、ロキとルフィーナは……。 「ヌフ……ヌフフ……ヌフフフフフフフ……」 「お酒臭い」 ソファに座って雑誌を読んでいるロキを、背後から抱き締め、ルフィーナが鼻を膨らませては不気味に笑い声をもらしていた。 いつものロキなら、抱き付いてくるルフィーナを嫌がって、遠ざけようとするのだが、今日のロキは文句は言うものの、突き放そうとはしない。 酒に酔ったルフィーナが暴れないよう、ロキなりに気をつかっているのだ。 とは言え、ロキもただ黙ってルフィーナにされるがままと言うことはない。 ルフィーナが怪しい動きをすれば、直ぐ様反応出来るように身構えている。 「ヌフフフフフフフ。アナタ。妾の胸の感触はどうじゃ? 柔らかいじゃろう? ムラムラ来ぬか?」 「来ないし、お酒臭い」 「ヌッ! ならば、妾の胸を直接触って――」 「ブッ!」 会話がいやらしい方向へ変わった途端、ケイが思わず吹き出してしまう。 「ケイ! 聞き耳をたてるでないわ!」 「いや、そんだけ大きな声で話してて、『聞き耳たてるな』ってのはおかしいだろ!」 「隙ありだね」 「ダアアアアア! クマさん、それはひでぇよ!」 ルフィーナに、ケイがツッコミを入れている最中、晃がケイの操作するキャラクターを攻撃。 あっと言う間にやられてしまった。 「クソ~! もう一回だ!」 晃に向かって、ケイが再戦を要求すると、晃は「もちろん」と言って再びゲームに熱中。 その隙(?)に、ルフィーナは「全く、ケイはムッツリじゃのぅ」などと言いながら、ロキの胸元へ手を滑らせようとする。 すると、すかさずロキがルフィーナの手を掴み、無言で押し返す。 「ヌヌヌッ!」 手を押し返されてしまったルフィーナは、口惜しげに唸ると、押し返してきたロキの手を掴んで自分の胸へと押し当てる。 「どうじゃ? どこぞのツインテール程ではないが、妾も胸はある方じゃぞ?」 ロキの手を、胸の形が変わるくらい押し付けてやると、ロキの眉がピクリと動く。 「やっぱり、ルフィーナさんは『痴女』なんだね」
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!