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晃手作りの夕食を堪能したロキ達は、全員で食器を洗い、今は場所を居間に移してくつろいでいる。
「クマさんゲーム弱いなぁ」
「そんな事ないよ。見ててね」
晃とケイはテレビの前で格闘ゲームに熱中し、ロキとルフィーナは……。
「ヌフ……ヌフフ……ヌフフフフフフフ……」
「お酒臭い」
ソファに座って雑誌を読んでいるロキを、背後から抱き締め、ルフィーナが鼻を膨らませては不気味に笑い声をもらしていた。
いつものロキなら、抱き付いてくるルフィーナを嫌がって、遠ざけようとするのだが、今日のロキは文句は言うものの、突き放そうとはしない。
酒に酔ったルフィーナが暴れないよう、ロキなりに気をつかっているのだ。
とは言え、ロキもただ黙ってルフィーナにされるがままと言うことはない。
ルフィーナが怪しい動きをすれば、直ぐ様反応出来るように身構えている。
「ヌフフフフフフフ。アナタ。妾の胸の感触はどうじゃ?
柔らかいじゃろう?
ムラムラ来ぬか?」
「来ないし、お酒臭い」
「ヌッ! ならば、妾の胸を直接触って――」
「ブッ!」
会話がいやらしい方向へ変わった途端、ケイが思わず吹き出してしまう。
「ケイ! 聞き耳をたてるでないわ!」
「いや、そんだけ大きな声で話してて、『聞き耳たてるな』ってのはおかしいだろ!」
「隙ありだね」
「ダアアアアア! クマさん、それはひでぇよ!」
ルフィーナに、ケイがツッコミを入れている最中、晃がケイの操作するキャラクターを攻撃。
あっと言う間にやられてしまった。
「クソ~! もう一回だ!」
晃に向かって、ケイが再戦を要求すると、晃は「もちろん」と言って再びゲームに熱中。
その隙(?)に、ルフィーナは「全く、ケイはムッツリじゃのぅ」などと言いながら、ロキの胸元へ手を滑らせようとする。
すると、すかさずロキがルフィーナの手を掴み、無言で押し返す。
「ヌヌヌッ!」
手を押し返されてしまったルフィーナは、口惜しげに唸ると、押し返してきたロキの手を掴んで自分の胸へと押し当てる。
「どうじゃ? どこぞのツインテール程ではないが、妾も胸はある方じゃぞ?」
ロキの手を、胸の形が変わるくらい押し付けてやると、ロキの眉がピクリと動く。
「やっぱり、ルフィーナさんは『痴女』なんだね」
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