6524人が本棚に入れています
本棚に追加
/124ページ
でも、それくらい俺にとって月子は特別で、彼女が苦しいなら、辛いなら、他の誰でもない "俺" が救ってやりたい。今すぐにでも。
でも、
「先ずは社での信頼度を上げる」
「ん」
「俺の決めた事で、取締役達に文句は言わせねぇくらいに」
「ん」
「それと、ハイエナどもに鎖を付ける」
「フッ、ハイエナって……。まぁ、その辺の女共は面倒だからね。月子ちゃんに心配させない為には正解かも」
クックッと笑う斗真が『でもさ』と言った。
「あ？」
「すげぇ自信だな。フラれるとかってのは頭に無いわけ？」
「お前が言ったんだろ？」
「え？」
「王子になれば大丈夫だって」
そう言ってニヤリと笑ってやると、『あー……』なんてバツが悪そうに天井を仰いだ斗真。
それを鼻で笑ってやると、苦笑いで『で、どうする？』って訊いてきた目は、もうからかいも何も無く真剣で、
「協力、しろよ」
「任せろ」
ニヤリと笑いあった。
最初のコメントを投稿しよう！