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「あら、いたの。今宵君」
納羽斗は承午さんに自分の存在を知らしめると、目の色を変えて一気に承午さんに接近した。
こいつ、こんな時にまで女タラす気かよ。
「ああ。承午さンも来るか? それとも、俺とどッか二人で食事でも……」
あのー、納羽斗君。付き添いの話はどこ行ったんですかね?
上品そうな鼻にかかる眼鏡をクイッと上げ、眼鏡の奥から納羽斗を見据える。
「そうね。それじゃあ、一緒に行きましょう」
な!?
まさか承午さんまで納羽斗に引っかかってしまうとは。
世の中、やはり顔なのか?
「どこ行こッか? 俺、こないだ美味い店見つけ……」
「違うわ。行くと言ったのは先生の家よ。女タラシの猿とロリコン性犯罪者。二人に先生を預けるのは、些か心配があるから、ね」
「な……!?」
あれ、違った。
あの納羽斗が軽くあしらわれている。
ハッキリとした拒絶に、あの納羽斗すら怯んでるよ。
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