フラグ乱立

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目の前には見慣れた光景が広がっていた。 これは俺の部屋だ。 それからいつもの道を経由して、日常の八割ぐらいを費やす学校に移った。 あれ?なにこれ? 確か寝巻きに着替えて布団に潜って…… ああ、これは夢か。きっとそうだ。 でもなんだかリアルだな。いつもならこうやって思考を巡らすこともないのに。 まあいいか。とにかく夢を見ているということには変わらないんだから、 ここは普段できないことをしよう! ……と思った瞬間、目の前には見慣れた光景が… あれ?無限ループなのか? ここは自分の部屋だ。 「わけわから――」 「お兄ちゃん!早く起きて!」 ひっ!? ああ妹の声だなこれ。 てかいつのまにか制服着てた… 夢だからかな?関係ない気がするけど。 まあ妹が呼んでいるのでさっさと一階のリビングに降りるか(俺の部屋は二階)。 「お兄ちゃん起きるの遅いよ!」 俺を確認するやいなや、割と大きな声でそういった。 「はいはい怒ったら皺が増えますよー」 ちょっとからかって、さっさと朝食にありつくことにした。 なんか言ってるけど気にしない。 朝食はいつものメニューだ。ご飯と味噌汁としょうが焼き……しょうが焼き? 「おいおい、なんで急にこんな――」 「お兄ちゃん!あーんしてあげる!!」 は? さっきから頭に「お兄ちゃん!」をつけてるけど馬鹿なの?作―― じゃなくてっ! いやいやいや!あり得んあり得ん! 確かに俺たちは仲の良い兄妹で、ご近所にも評判だったらしいけども! ってこれ夢だ。 夢ならどんなことが起きてもおかしくない。うん。 夢なんだから、ここで大人しく従っても大丈夫なんだ。 というわけで、口を開けて、箸でご飯をつまんでスタンバイしている妹の、手元に顔を近づけて口を開けた。 「あー!お兄ちゃん大変!」 「え?」 妹が何やら壁を見上げて声を張り上げたので、同じところを見てみると、 時計が『7時50分』を指していた。 やばい! 俺は慌て家を飛び出した。
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