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あの頃の僕ときたら、どこからどう見てもダメな奴だった。
デブで根暗で、眼鏡をかけてるくせに頭が悪い。話し掛けられても緊張して上手く喋れないから、出来るだけ人目につかないようにしていた。
中学の時、いじめにあった。
体操服を隠されたり、ご飯に消しゴムのカスを掛けられたり、毎日笑い者にされた。助けてくれる人なんて誰もいなかった。
だけどそれは、当然だと思った。
僕みたいな虫けらは生きてるだけで周りに迷惑をかける。体育の授業でバスケがあると、僕が入ったチームは必ず負けた。修学旅行で僕が一人でいると、クラスの皆が先生に怒られた。
悪いのは全部、僕なんだ。
自分に少しでも良いところがあれば、いじめられることなんてなかったはず。シュートを一本でも決めていれば、話しかけてくれた人に笑顔を見せていれば、こんなことにはならなかったはず。
いじめのことは先生にも親にも言わなかった。問題は僕にある。それがわかっていたから。
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