Epi.5

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―――N. 「ついたかな」 空を見上げて呟く領さん そういえば いつの間にか二人はいない 「じゃいこっか」 「え?」 「て、つないで」 言われたままに 差し出された手を掴む 雅も同じように掴む 「いち、にぃの…さんっ」 一瞬、ほんの一瞬だけ 視界が真っ白になったかと思えば 次の瞬間には 陽さんが目の前にいて 「ついた」 「真っ白ぉっ!!」 何かスイッチが入ったのか 雅が騒ぎだす 「よ…っと」 「ぅわ、蓮くんが現れた」 「オレは最初から居たよ」 「…?」 「で、乗り込むんだろ  この国に」 「"鍵玉"も手に入れなきゃだしねっ」 だとしても 入り口はどこなんだろう? 見渡す限り 真っ白い雲?だけなんだけど 「どうせお尋ね者だ  派手に暴れてやる」 「蓮?」 蓮くんを取り巻く雰囲気が いつもとはまるで違う 殺気、みたいな… 「この国を潰すのか」 「でも"かぎたま"は  おーさまもってる」 「王には  厄介な護衛がいると聞く」 「じゃそれはやっつけちゃう?」 領さんと陽さんとが 楽しげに話す 「王はオレが殺る」 「さてさて、  怖い怖い復讐劇の始まりだ」 「ね、ハル」 「何?」 領さんが指差す方向 「なんかきた」 「何あれ」 「…迷彩服?」 迷彩柄の服を来た人がたくさん こちらに向かってきている …残念すぎるくらいに 迷彩柄が目立っちゃってるけど 「軍…」 「え、あんなバカみたいなのが?」 だってアレ 隠れるどころか 目立ちすぎて一目瞭然だよ 白の中に緑だよ? 「ぜんたーい、止まれっ!!」 『……』 「貴様らに告ぐ!!  何もせずに即刻この国から去れ!!」 隊長らしき人が叫ぶ .
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