第1話 ロイヤルスイートな夜【瑞希Ver.】

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「何コレ……」 部屋に入った私の第一声はこれだった。 重厚な扉を開けると広い部屋にいきなり六人掛けの大きなダークウッドのテーブルが現れた。 その向こうには同じ落ち着いた色調の応接セットが置かれたリビングルームが広がっている。 マンションのモデルルーム? ううん、それにしちゃ家具が豪勢すぎる。 どこのブランドかなんて分からない私でも、それらがメーカーの量産品でないことくらい分かる。 「ロイヤルスイートルームですが気に入りませんか?」 すぐ後ろから穏やかな声が降ってきて私はふるふると首を振った。 「気に入らないわけじゃないですけど……、こんな広い部屋にしなくても良かったのに」
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