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気持ちが一段落したところで、俺は片付けを始める事にした。
どうせまた、この家に来る事になるだろう。
その時にもう一度この光景を見たくない。
きっと、ミサトの生活が目に浮かんでしまうだろうから。
散乱したワイシャツを一枚ずつ拾い上げる。
アイロンも片付けて、部屋の隅に置いた。
家全体の勝手は何も変わっていない。
この調子でミサトの荷物も片付けておこう。
ダンボールに手をかけ、中のものを取り出していく。
携帯電話、鏡、小さなポーチ、鞄、財布
、ティッシュ、ハンカチ。
事故当時、ミサトが所持していたらしい細々としたものが積み重なっていた。
ペットボトルのお茶、青い袋。
そこで、自然とダンボールを探る手が止まった。
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