絶対お兄ちゃん主義!

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ゆったりとした時間を満喫した俺は、登校時間に間に合う様に少し早く家を出る。 スカスカの軽いカバンを持ちながら家に鍵をかける。 物騒な世の中の為(意識はしてないけど)ロックを二重にしておく。 「って、達裄先輩は被害妄想の激しいOLですか!?」 「朝から騒がしいぞ流亜」 西川流亜(ニシカワルア)。 近所に住む中学生の後輩で、来年に俺の通っている学校に入学してくれたら良いな(願望)。 金髪ツインテール、幼い顔、高くて凛々しくも可愛い声、やや低めの身長。 俺の特別な異性の友達No.2である(といっても3人しか居ないわけなんだが)。 そんな彼女が俺の家の門の前に立っていた。 「おはようございます達裄先輩」 「おはよう流亜」 いつも一緒に学校に通っているわけではない(ある程度方向は同じ)。 たまに待っていたり通りかかったりする。 「今日私は達裄先輩の誕生日を祝いに来たんです」 「おっ、覚えていたんだ。へっ、可愛いじゃないか」 頭を撫でる。 俺にとって彼女は特別な仲であり褒めたり可愛がる時に撫でたりする。 「触らないでくださいよ」 「…………」 ただ何故か嫌がる。 可愛くない可愛い後輩だ。 「というわけでおめでとうございます達裄先輩。これプレゼントです」 「おぉ。まさかお前からプレゼントもらえるなんて思ってなかったぜ」 箱らしき物に白い紙が巻かれ、リボンで飾り付けされていた物を手渡された。 「ただそれ微妙に高かったんでお金返してもらえます?」 「それプレゼントって言わない」 まさかプレゼント渡されてから金の要求なんて求められると思わなかった。 ただ話すと面白い奴なので大好きである。 「よし、金は出さないがまた頭を撫でてやる」 「嫌がってんのわかんないんですか達裄先輩?」 「じゃあしないよ」 「するって言ったんなら嫌がってでもするべきですよ達裄先輩」 ただ難しい奴で頭を撫でないと撫でないで怒られる。 面白いがよくわからん奴だ。 「よしよし、可愛いなお前」 「……お世辞じゃなく本心言ってくださいよ」 何やらぶつぶつ呟いているんだが……。 「いや、お前本当に可愛いぜ。お世辞とかじゃなく」 「って聞こえてたー!?」 恥ずかしがりながら赤い顔して突っ込まれた。 あれ?なんで本心言ったのに怒られたんだ?
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