1年0組

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春。 ここ、 清潤(セイジュン)高校にも、沢山の命が再び姿を現しはじめた。 あまりフレンドリーではない校門をくくぐり抜け、俺こと“設楽誠(シタラマコト)”は、新たな世界に足を踏み入れていた。 自身のクラスを知る為に、沢山の人々が巨大な掲示板の方に歩みを進める。 俺もその中の一人だ。 人の波に身を任せながら、掲示板の前に行き、自身のクラスを確認する。 1年0組―― これが俺のクラスだ。 俺は今までに何度もクラス分けを行ってきたが、“0組”と呼ばれるクラスになった事など、一度もなかった。 ……よくわからない点が多々あるが、教室に行けば全て解決するだろう。俺は、校門前で貰った“校舎案内図”を片手に、0組の教室へ向かった。 * 「何で0組だけ校舎が別なんだ……?」 他のクラスは西校舎に配置されているのだが、0組だけは、何故か東校舎に配置されていた。 そして、東校舎はとても大きい。 「ここ、何処だ?」 俺が迷うくらいには。
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