【第八章】閑話休題

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「大事な質問なんだ。ちゃんと答えてくれ。俺はこれからそいつらを押し退けて、世の中を武術主義とやらに塗り替えていかなくちゃいけないんだ」 恭司はユウカの適当な回答を良しとせず、何とか食い下がる。 一応、本当に聞きたい話だ。 正直、今である必要は全く少しもこれっぽっちも存在しないが、まぁ、いずれ聞いておかなくてはならない内容ではある。 何とかして合理性を保ちながら、ここはあくまでもその話で押し通さなければならない。 「えー、そんなの学校行き始めたら否が応でも分かってくるよ。だって、魔法科と武術科って、校舎すぐ隣だよ?体育の時間とかにいくらでも絡むよ」 ユウカは不貞腐れた様子でそう話す。 多分そうなんだろうなとリアルなことも思いながら、恭司は脳味噌を高速回転させて言い訳を絞り出した。 「まぁ、言いたいことは分かるが、俺はその学校って奴に行ったことがないし、実際に行く前になるべくイメージを付けておきたいんだよ。知ってていくのと何も知らずに行くのとでは、実際の対応に微量でも差が生まれてしまうもんだ」 かなり適当だが、言われたら「まぁそんなもん?」となりそうな範囲を目指した回答をした。 断りにくくなるよう、真剣な表情も忘れない。 少しでも笑うと違和感が出てしまう。
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