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スラリとのびる腕は輝いて見えるほど白い。
「お嬢様、またお痩せになられましたね。」
お嬢様の抱えられる問題は何も学校内だけではございません。
折れてしまいそうな指。
痩せすぎて関節が浮かび上がっている。
「そうかしら?」
その指が持つスプーンを飲み込む横顔も痩せすぎて顎が尖ってるよう。
「はい。近頃、食事をお取りになっていませんよね?」
「今取ってるわ。」
筋の浮かび上がる首が嚥下と共に動く。
「昼食のみ、ですね。」
「だって、家の食事はもたれるんですもの。」
「しかし!」
「この話は終わり。いいわね。」
話は遮られ、終わりを迎える。
こうなっては、主の僕である私にはこの話はできない。
本当にズルいお方だ。
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