Prologue-Jade eyes warrior-

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…―とある遺跡の奥深くで二人の男女が襲われていた。 地元の者からは、古き王の墓と呼ばれる石造りの古い遺跡。 その最深部にある、玉座の間と呼ばれる部屋に彼らはいた。 探検家のような衣服や装備を身につけたその二人は、狼のような獣に似た形をした、5メートルはある岩の彫刻に襲われていた。 「クソ!こんな強力なゴーレムが居るなんて知らなかった!」 思わずそう漏らす男の手には、拳ほどの大きさがある真っ赤な宝石。 男は女性の手を引きながら、部屋の中を駆け回っていた。 ゴーレムは逃がすまいと二人を追いかけ、決して部屋の中から脱出させようとはしなかった。 男に手を引かれながら女性が言った。 「せ、先生!その石を捨てて!そうすれば“アレ”ももう追って来ませんから!」 「いや駄目だ!コレの為に私は五年の歳月を掛けたんだ!それを無駄にしてたまるものか!」 そう言って男は女性の手を放し、ゴーレムに向かって手投げ爆弾を投げつけた。 投げられた爆弾は丁度ゴーレムの顔面で爆発し、爆炎と共にゴーレムは土煙に消えた。 「ハァハァ…やったか?」 足を止め、男は呟いた。 しかし、土煙が晴れるとそこには顔に僅かな焦げ痕がついただけのゴーレムが、ピンピンとした様子で立っていた。 「な!?」 男が驚きを隠せずにいると、ゴーレムはその強靭そうな後ろ脚で地面を蹴り、男に飛び掛かった。
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