3.警告か暗示か

4/16
332人が本棚に入れています
本棚に追加
/137ページ
「やあどうも先輩。これから授業ですか?」  片手を挙げて秋穂が言う。相変わらずなその態度に、城崎は不愉快そうに眉根を寄せた。 「…お前、また何か問題を起こしたんじゃないだろうな」 「いやいや。あたしは何も。…ね、ガッキー?」 「はい」  秋穂に同意を求められ、新垣は頷く。城崎がその様子を見てちっ、と舌打ちをした。 「嘘は吐くなよ?」  そして秋穂の目の前まで来ると、城崎は片手でその頬を挟み込んだ。秋穂はむぅ、と唸り、その手を振り払おうと動く。  が、それより先に頬から手が離れた。
/137ページ

最初のコメントを投稿しよう!