cherry

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倦怠期がきた。 それこそ、もう束縛の限界だ。 女友達にまで制限つきになった。 親友のあーちゃんは、 ゆうじくんのことを 良くは思わなかった。 わたしにとって、 あーちゃんはお姉ちゃんでもあり、心友でもあり、家族だ。 だから紹介したかった。 用事があったので、付いてきてもらった。 「車で待つよ。」 そう言った彼に、 あーちゃんは、「ゆうじくんもおいでよ」といった。 「いかない」 気分がのらないときは、はっきりとそういった。 「じゃあ、ちょっとまってってね」 車をおり、あーちゃんの家にいった。 「理緒、今日はゆっくりしていけるんでしょ?」 あーちゃんのお姉ちゃんが聞いた。 「ううん、ごめん下にゆうじくんがまってるから。。」 「上がればいいのに。呼んできなよー。」 ゆうじくんにそのまま伝えたが、彼はこない。 「一番のお友達」といったところに腹を立てていた。 自分が一番でないと、嫌だったようだ。 こない事を伝えると、 「そんなちっちぇ男別れな!」 あーちゃんは、 本気できれていた。 「ごめんね。ホント・・」 わかっていた。 わたしも友達こそ犠牲にしたくはない。 でも、それでも、彼への気持ちが上にあったから・・・ 学校の友達とは学校であえる。でも他の友達は時間を作らないとあえないのに・・ 優先するものがこのときはゆうじくんだったから。 彼に嫌われるなんて、この世の終わりだった。 それこそが恐怖で。 依存していた。お互い。 でも彼に対して私がしてあげられることなんて、何もなくて。 彼を満足させることなんでできなくて。 そうやって思い込むうちに、なぜか倦怠期になった。 彼を愛する事にすこし一休みしたかったんだ。
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