中間試験?そんなのパスして文化祭だ!

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  「Thank You!」 妙に発音のいいその言葉と共に地獄のような五分間は終了した。 『え、えーっと、ありがとうございました。 なかなかのインパクトだったよ、うん』 あのレーナがコメントにつまるとは…。 『そ、それじゃあ! 気を取り直して、次にいこう! エントリーナンバー2 三年Sクラス カミト=レンゲル!』 レーナの紹介と共にステージに上がったのは、藍色のポニーテールに白いライトアーマーの姉系女性に見えるカミト。 観客からもさっきのゴリマッチョ1号時とはうって変わって「おぉ~」という歓声が聞こえてきた。 カミトは、そんな観客の反応に恥ずかしくなったのか若干顔が赤くなり、更に会場のボルテージが上がった。 『おっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! み な ぎ っ て き た!!! それじゃあ、カミト君! アピールよろしく!』 いつもの調子を取り戻したレーナの合図にカミトは黙って頷くと腰に提げている剣を抜く。 そして、その剣で見えない敵と戦うように突き、斬り上げ、振り下ろし、その場で回転しながらの水平斬り。 美しさすら感じるほど剣技。 おそらく、カミトが行なっているのは剣舞と呼ばれるものだろう。 剣舞は簡単に言えば、神社とかで巫女が踊る舞いに剣技を組み込んだもので戦神や戦女神等に戦争の前なんかに奉納される事が多い。 剣舞を奉納するのは女性が多いが、別に男性がやっても問題はない。 だが、カミトの剣舞は少し洗練されすぎている気もするが、気にしても仕方ないから純粋に剣舞を楽しむ事にした。
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