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第1章 現代から戦国へ
プロローグ
「…じ！！！やっと…やっと逢えたのに、もう逝ってしまうのか…！！？」
「私も、信乃様と一緒に行きたいです…！」
「この網乾左母次郎が、この刀をなまくら刀にすり替えてやったのよ…！」
「どうか…どうか…それ…を、あの方…に…」
これらは、最近私がよく見る夢に出てくる台詞（ことば）。
夢の内容は、若干異なる事はあっても、ほとんどは誰かが誰かに向かって何かを伝えようとしている。その背景は、時代劇に出てきそうな村のはずれであったり、山の中であったりであった。
女の人を抱えて泣く男の人。自分の方に向かってあざ笑う男…。そして、私そっくりの女の子が死ぬ間際に残す、最期の言葉…。
同じ夢を見続けてから1週間ほど経過した後に、これは伝奇小説「南総里見八犬伝」のワンシーンみたいなものではないか…と考えるようになる。
しかし、私はまだ知らなかった。この夢は、全ての「始まり」に過ぎなかったという事を――――――――――
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