2匹目

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「虫取りしてんだけど」 リーダー格の少年が面倒くさそうに答える。 他の子たちは俺に見向きもせず、幼虫いじりに夢中になっている。 「もうやめてあげたらどうだ?」 「えーいいじゃん」 「良くない。この虫だって生きてるんだ。君たちと同じだ、一つの命なんだよ。玩具じゃない」 「何ワケわかんないこと言ってんの? これがおれたちと同じなわけないじゃん」 「え? これ生きてんの?」 「は? 冗談でしょ」 少年たちは一斉に不思議そうな顔を浮かべて俺を見た。 まさかこれ本気で言ってるのか? この子たち、虫が生き物だってわかってないのか? 「いいから離してやるんだ」 「チッ、うっせーな。もう虫ショップ行こうぜ」 少年たちは持っていた棒を捨てて、足早に去っていった。
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