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朝……目が覚めて眼鏡をかけて、壁にかかっている時計を見る。
11時すぎ。
1時間もすればお昼か……。
あたしはぼんやりそう思いながら、眼鏡を外して、また布団にもぐる。
今日は雪でも降るのかな……。
すごく寒い。
目を閉じる。
瞼に浮かぶのは痩せていた頃の自分。
背が高いからなんでも着こなせる。
買い物に出掛けて、可愛い!と思ったものは、サイズが合うかどうかなんて考えなくても、着れる事が分かっているから迷わずレジに持っていく。
あれが当たり前だったな……あの頃は……。
目を閉じながら涙がツーッと流れる。
あの薬さえ飲まなければ、今もあたしはあの頃のスタイルのままだったんだよね?
閉じた目から涙が次々にこぼれて、胸が苦しくて顔を歪める。
涙が止まらない。
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