自覚症状

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放課後 玄関にて 「あ、純ちゃん三船ちゃんバイバーイ」 俺達を見つけた奈々子は小学生みたいに思いっきり手を挙げてブンブン振る。 「奈々、今日一人なら一緒に帰ろ~ぜ」 「うげっ」 俺らに手を振る奈々子の首を後から啓斗が締める。 「………」 「純?」 無表情で眺める俺を三船が窺う。 「………いや、行こう」 歩き出した俺に着いてくる三船。 帰り道、黙って歩く二人。 三船が足を止める。 「純……… もうやめよう?」 ゆっくり振り向き彼女を見た。 「……………」 「私だって誰かに大切に思って欲しいんだよ」 「大切にしてるつもりだけど」 「でも一番じゃないでしょ?」 黒目がちの目で真っ直ぐ見られたら、いい訳の言葉で取り繕う事は出来ない。
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