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すると、
「唯」
「はい」
「さっきのあれ、思い出したよ」
目を閉じていた彼は微かに口許を緩めて――信じられないことをした。
You can believe when I say
That there's no one else
Our love is strong,
So don't think something's wrong.
(信じてくれるよね
他の誰かじゃ駄目なんだ
僕らの愛は強いから
心配することなんかないよ)
「――……え」
うっかり歌った、あの歌?
戸惑う私の耳は、低く、優しい歌声を聴いている。
So if you think,
that I wouldn't agonize
At the thought of you leaving,
let me open your eyes
(もし君が去っても
僕が苦しまないと思ってるなら
どうか目を覚ましてくれ)
たまらなくなって口許を押さえた私のもう一方の手を優しく握る、彼の大きな手。
あたたかい。
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